2008.12.30
起こりえない話なのか
娘は、以前ブログでご紹介した“Goodnight Moon”という絵本に
そろそろ飽きてきたようなので、図書館で新しいへ本を借りました。

“Goodnight Moon”と同じMargaret Brownの作品、
“The Runaway Bunny”です。
“Goodnight Moon”が、韻を踏んだ文と
同じように見えてページを経るごとに若干違う絵が
子供の集中力を養うのに対し、
“The Runaway Bunny”は、ずばり、“if”。
絵本全体がifを使ったセンテンスのみで
できていての豊かな想像の世界を描きます。
お風呂上りの絵本は、パパの担当です。
“If you become a tree,” said the little bunny,
“I will become a little sailboat, and I will sail away from you.”
(「もし、ママが木になっちゃうなら、」うさぎの子は言います。
「僕はヨットになって、ママから逃げちゃうよ。」)
“If you become a sailboat and sail away from me”,
said his mother, “I will become the wind and blow you where I want you to go.”
(「もしあなたがヨットになって、私から逃げちゃうんなら、」お母さんは言います。
「ママは風になってあなたを吹いて、ママが行かせたいところに連れて行くわ。」)
なんと高度な文でしょう。少なくとも日本の英文法的には、
受験を控えた高校生なみじゃないですか?
3歳から4歳のネイティブの子は、こういう文を理解するんですね。
しかし、この文を見て日本の受験英語を
経験された方は、違和感を覚えるのではないでしょうか?
ここは、“仮定法”を用いるべきではないかと。
仮定法とはあれです、
例の英文法の最後の方に出てきたわかりにくいやつっ。
数学で言うと微分積分のように
教科書の最後の方に出てきて、苦手な人には一生苦手なやつです。
仮定法現在によると、If節のなかの動詞は過去形のはず。
これで意味としては、起こりえない仮定の話を表現するのでした。
とすると、さっきの文は、
“If you became a tree,” said the little bunny,
“I would become a little sailboat, and I would sail away from you.”
にしないといけないのでは?
訳すと、「もし、ママが木になっちゃったら、」うさぎの子は言います。
「僕はヨットになって、ママから逃げちゃうよ。」となります。
つまり、ifのところでは、
becomeの過去形のbecameにして、
コンマ以降はwouldで受ける。こう習いませんでしたか?
ちなみに、もっとややこしい仮定法過去は、
had+動詞の過去完了形でした。
仮定法過去は、昔の話で起こりえないことを言うときに使うのでした。
“If you had become a tree yesterday,” said the little bunny,
“I would have become a little sailboat, and I would have sailed away from you.”
訳すと、「もし、ママが昨日、木になっちゃったなら、」うさぎの子は言います。
「僕はヨットになっていて、ママから逃げちゃってたよ。」となります。
しかし、しかし、しかし。
あれれ、Margaret Brownの原文では、
“If you become a tree,” said the little bunny,
“I will become a little sailboat, and I will sail away from you.”
となっています。シンプル。仮定法の定石wouldとかもない。
ひょっとして、Brownさんも間違いですか?
もしそうなら、絵本全部間違っていますよっ。
だって、ifの文しかないですからっ。
それとも、日本の英文法が間違っていて
現代アメリカではもはや仮定法は使わないのでしょうか?
いえいえ、そうではありません。
もちろん、50年以上もベストセラーのBrownさんの
絵本の英語が間違っているわけはなく、
明治以来の日本の英文法も間違っているわけではないのです。
もう一度、仮定法の意味を考えてみましょう。
繰り返しますが、仮定法は“起こりえないこと”を表現するのに使います。
“If I were you, I would work harder”
(もし僕が君だったら、もっと働くのに)
ここで、僕が君になることは
現実にはありえないから仮定法現在を使って
be動詞を過去形にするのです。
(ちなみに、なぜか仮定法には
普通はwasを使いません。Iの後なのにwereが正解っ)
では、Runaway bunnyの子うさぎはなぜ
“If you become a tree,” と言ったのか?
そして、ママうさぎもそれを訂正しないのか?
なぜ仮定法を使わないのかっ。
それは、子うさぎはママが木に
なっちゃう可能性を完全には
否定していないからだと思います。
ママが木になることもあるだろうと思っているからだと思います。
子供らしい想像力ですね。
だから、あえて仮定法ではなく、
普通のifの使い方をしたのです。
“If it rains, I will bring my umbrella”
(もし雨が降ったら、傘を持ってきます)
っていうときは、仮定法は使いませんもんね。
雨が降ることもあるからです。ありえないことではありません。
この普通のIfの言い方、
日本からの英文メールではよく間違っていますね。
受験英語のせいか、なんでも仮定法になっていて
現実のビジネスのことを話しているのに、
すべて起こりえないことの話になっているときがあります。
さて、The Runaway Bunnyの最後はこうなっています。
“Shucks”, said the bunny,
“I might just as well stay where I am and be your little bunny.”
And so he did.
“Have a little carrot,” said the mother bunny.
これを辞書なしで正確に意味を取れた方っ。
コメントください。すばらしい英語力です。
“might just as well ”というところがポイントですね。

絵本とは何か。探し続ける駐在員にあたたかい応援をっ。


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そろそろ飽きてきたようなので、図書館で新しいへ本を借りました。

“Goodnight Moon”と同じMargaret Brownの作品、
“The Runaway Bunny”です。
“Goodnight Moon”が、韻を踏んだ文と
同じように見えてページを経るごとに若干違う絵が
子供の集中力を養うのに対し、
“The Runaway Bunny”は、ずばり、“if”。
絵本全体がifを使ったセンテンスのみで
できていての豊かな想像の世界を描きます。
お風呂上りの絵本は、パパの担当です。
“If you become a tree,” said the little bunny,
“I will become a little sailboat, and I will sail away from you.”
(「もし、ママが木になっちゃうなら、」うさぎの子は言います。
「僕はヨットになって、ママから逃げちゃうよ。」)
“If you become a sailboat and sail away from me”,
said his mother, “I will become the wind and blow you where I want you to go.”
(「もしあなたがヨットになって、私から逃げちゃうんなら、」お母さんは言います。
「ママは風になってあなたを吹いて、ママが行かせたいところに連れて行くわ。」)
なんと高度な文でしょう。少なくとも日本の英文法的には、
受験を控えた高校生なみじゃないですか?
3歳から4歳のネイティブの子は、こういう文を理解するんですね。
しかし、この文を見て日本の受験英語を
経験された方は、違和感を覚えるのではないでしょうか?
ここは、“仮定法”を用いるべきではないかと。
仮定法とはあれです、
例の英文法の最後の方に出てきたわかりにくいやつっ。
数学で言うと微分積分のように
教科書の最後の方に出てきて、苦手な人には一生苦手なやつです。
仮定法現在によると、If節のなかの動詞は過去形のはず。
これで意味としては、起こりえない仮定の話を表現するのでした。
とすると、さっきの文は、
“If you became a tree,” said the little bunny,
“I would become a little sailboat, and I would sail away from you.”
にしないといけないのでは?
訳すと、「もし、ママが木になっちゃったら、」うさぎの子は言います。
「僕はヨットになって、ママから逃げちゃうよ。」となります。
つまり、ifのところでは、
becomeの過去形のbecameにして、
コンマ以降はwouldで受ける。こう習いませんでしたか?
ちなみに、もっとややこしい仮定法過去は、
had+動詞の過去完了形でした。
仮定法過去は、昔の話で起こりえないことを言うときに使うのでした。
“If you had become a tree yesterday,” said the little bunny,
“I would have become a little sailboat, and I would have sailed away from you.”
訳すと、「もし、ママが昨日、木になっちゃったなら、」うさぎの子は言います。
「僕はヨットになっていて、ママから逃げちゃってたよ。」となります。
しかし、しかし、しかし。
あれれ、Margaret Brownの原文では、
“If you become a tree,” said the little bunny,
“I will become a little sailboat, and I will sail away from you.”
となっています。シンプル。仮定法の定石wouldとかもない。
ひょっとして、Brownさんも間違いですか?
もしそうなら、絵本全部間違っていますよっ。
だって、ifの文しかないですからっ。
それとも、日本の英文法が間違っていて
現代アメリカではもはや仮定法は使わないのでしょうか?
いえいえ、そうではありません。
もちろん、50年以上もベストセラーのBrownさんの
絵本の英語が間違っているわけはなく、
明治以来の日本の英文法も間違っているわけではないのです。
もう一度、仮定法の意味を考えてみましょう。
繰り返しますが、仮定法は“起こりえないこと”を表現するのに使います。
“If I were you, I would work harder”
(もし僕が君だったら、もっと働くのに)
ここで、僕が君になることは
現実にはありえないから仮定法現在を使って
be動詞を過去形にするのです。
(ちなみに、なぜか仮定法には
普通はwasを使いません。Iの後なのにwereが正解っ)
では、Runaway bunnyの子うさぎはなぜ
“If you become a tree,” と言ったのか?
そして、ママうさぎもそれを訂正しないのか?
なぜ仮定法を使わないのかっ。
それは、子うさぎはママが木に
なっちゃう可能性を完全には
否定していないからだと思います。
ママが木になることもあるだろうと思っているからだと思います。
子供らしい想像力ですね。
だから、あえて仮定法ではなく、
普通のifの使い方をしたのです。
“If it rains, I will bring my umbrella”
(もし雨が降ったら、傘を持ってきます)
っていうときは、仮定法は使いませんもんね。
雨が降ることもあるからです。ありえないことではありません。
この普通のIfの言い方、
日本からの英文メールではよく間違っていますね。
受験英語のせいか、なんでも仮定法になっていて
現実のビジネスのことを話しているのに、
すべて起こりえないことの話になっているときがあります。
さて、The Runaway Bunnyの最後はこうなっています。
“Shucks”, said the bunny,
“I might just as well stay where I am and be your little bunny.”
And so he did.
“Have a little carrot,” said the mother bunny.
これを辞書なしで正確に意味を取れた方っ。
コメントください。すばらしい英語力です。
“might just as well ”というところがポイントですね。

絵本とは何か。探し続ける駐在員にあたたかい応援をっ。
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